薄暗い部屋で、スクリーンのホコリを掃除しようとNikon F3のファインダーを外したら、ドキッとする光景が出現した。まるでライトボックス上のボジフィルムを見てるみたいに、ミラーを介してスクリーンに投影された光景が鮮やかに浮かび上がった。
色彩と光を、人間の眼はRGBそれぞれの波長を識別する錐体細胞3種、および明暗識別に特化した桿体細胞で認識する。一方、デジカメのイメージセンサーはRGBをカラーフィルターで分別したのち受光素子で、カラーフィルムはRGBそれぞれを識別する感光色素で、センシングする。カメラの仕組みはヒトの眼の生理を模倣している。だからかどうか分からないけど、カメラという機械には生き物みたいな妙な存在感がある。